保線業の仕事道具とは!?
皆様こんにちは!
有限会社田中軌道です。
本日のブログでは、普段私たちが仕事で使っている道具の中で
「特にメインでいつも使っている」という道具をご紹介していきたいと思います。
使う道具は本当に多種多様で、初めは道具の名前すら覚えることが難しいです。
先輩方に「〇〇持ってきて!」と道具の名前を言われても、どの道具のことなのかさっぱり???
なことも。(笑) それも長く続けていくうちに勝手に覚えていきます。
ほぼ毎日使う道具から一年で数えるくらいしか使わないようなものまで多くありますが、
まず絶対に覚えないといけないような代表的なものを何点か出していきますね。
①スコップ・ウマ
まずはほぼ毎日使っていると言っても過言ではない道具の代表として、スコップとウマがあります。スコップは先が尖ったような通常のスコップ、私たちは剣スコと呼んでいます。それと先が四角くなっている角スコという2種類があります。これは砕石をかくことがメインですが、何かの支えにしたりと、別の使い方も出来ます。土であればそんなことはないのですが、初めて現場に行ったときに剣スコで砕石をかこうとすると、石がゴツゴツしているためまず刺さりません。意外とコツや力が必要なため、それが出来るようになってようやくスタート地点と言ったところでしょうか。
そしてもう一つ画像に載っていますが、先が変な形になっているスコップがあります。
これは保線特有の道具で、私たちはウマと呼んでいます。会社によって呼び方が全く違うことがありますのでそれも面白いですよ。この道具の使い方は一人がスコップのように刺して、もう一人が先にくくられているロープを持って引っ張るというものです。これを使うことで一人で作業するより効率が良くなり、更に体力の消費も一人よりは少なくなります。スコップを持つ人に合わせて動くので、引っ張る人はしっかり呼吸を合わせて作業をしないとダメですね。
②タイタンパー
次に紹介するのは、軌道の整備をする際に必ず使う、タイタンパーという道具です。
一言でいうと、まくらぎの下に砕石を詰める作業に使うのですが、初めて持つととにかく重い。(汗
おそらく全く知らない人が持つと驚くと思います。重量は20数キロあります。
エンジンにコードで繋いでスイッチを入れるとモーターが回って振動が起こり、その振動と重さで
砕石の中へ沈めていきます。これを整備が必要なところでひらすら沈めて→持ち上げて→沈めて→
持ち上げて・・・とやっていくわけです。私も最初はずっと筋肉痛でした(´;ω;`)ウゥゥ
慣れてくるとそうでもないですが、たまに丸一日この作業をやるとやはり疲れます。
あと怖いのは、長時間この作業をすると、ずっとブルブル震えているため振動病という病気に
なってしまう恐れがあります。作業が終わっても家に帰っても、ずっと手が震えている状態になってしまうという怖い病気です。職業病なのですが、そうならないために適度な休憩が必要となります。
③ジャッキ(豆ジャッキ・トラックジャッキ)
次はこれも整備の時には必需品となるジャッキです。その他の作業でも使うことが多いので、
使用する頻度はかなり高いです。使い方としては、レール等を持ち上げる時に使用するもので、レールの下に入れて専用の棒でカリカリ回していきます。上の画像の小さい豆ジャッキであれば、まだそこまで力は使いませんが、下の画像のトラックジャッキは体全体を使ってあげなければいけないこともあります。そしてこのジャッキも重いです。というより保線の道具は重たいものが多いのですが、それはレール自体が重たいので、道具がヤワだと壊れてしまうからですね。このジャッキを片手に1つずつ持ってトレーニングすればムキムキになれますよ。(笑)
豆ジャッキが1つ10数キロの重さです。トラックジャッキは倍くらいの重さがあります。
このトラックジャッキを片手に1つずつ持って運ぶことも多々あります。
④バール
次は、これもほぼ毎日に近いくらい使用するバールです。これとほぼ同じですが、先端に固定できるように台座がついた、台付きバールというものもあります。これも様々なことに使えるとても便利な道具です。突き刺して押したり引いたり持ち上げたり、U字になっている方でひっかけたり支えたり。他の道具のように1本ではそこまで重くはありませんが、金属で出来ているのでやはり複数持つと結構な重量になります。
扱うときの注意点としては、長いので先端が他の人にあたってケガをしてしまうので必ず周りを見ることと、自分の手で先端を覆っておくことです。そうすれば万が一当たってしまってもケガはしませんね。
⑤標準ゲージ
ここからは主に色々な検測をするときに使用する道具をご紹介します。
まずは標準ゲージです。左右のレールの間を軌間というのですが、その軌間が適正な数値になっているかを測ります。これも種類があり、水準といって左右のレールの高さが適正かどうかを測るゲージがあるのですが、それとセットになっているものと、それぞれ単品になっているものがあります。
電車が安全に・快適に走れるようにするため厳しい基準があり、私たちは1ミリの誤差でもきっちり直していきます。
⑥三点棒
正式名は簡易型通り高低測定器といい、前述した道具はレールの間や水平を見るものでしたが、
こちらはレールに沿って縦に計測をする道具になります。みなさんはレールはまっすぐのように見えると思いますが、実は簡単に曲がります。
基本的には5mおきに測点を作っているので、両サイドの人がその測点に合わせて糸を張り、
中心の人が数値を測っていきます。これをすることで、5m間隔でどの部分に凹凸があるのか、
また横に張り出していたりくぼんでいるのかがすぐわかります。これもゲージと同じく、厳しい決まりがあるため、1ミリ、0.5ミリで直していきます。レールがまっすぐに見えるのはこの作業できっちりと手直ししているからなんですね。ちなみにカーブでもこの三点棒を使ってきれいなカーブをつくっていきます。
⑦おおがね
正式名は軌道用直角定規といいます。これはレールに平行になるように作られているのですが、
例えばまくらぎを設置する時などに使い、写真の白い出っ張りの部分と反対側の部分が直線のラインになっています。これを使って、左右のズレもなくきっちりと仕上げることが出来ます。その他の作業でも直角のラインを出す時には使える便利な道具です。
挙げていくとキリがないため、今回はこのくらいにしておきます。
また時間が出来た時には、他の道具もご紹介していこうと思っています。
いかがだったでしょうか。今回は保線作業の現場で特によく使う道具類の紹介でした。
面白い、次回も見てみたいと思われた方は、是非次回のブログもお楽しみに!
ありがとうございました。
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